体内にたまった「サビ」が老化の…
[第17回]水出し煎茶ならではのメリット
緑茶に含まれるカテキンは、苦味・渋味の成分ですが、一つの成分名ではなく総称です。
エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)の4つが主体で、これらの異性体(エピ体)であるカテキン(C)、カテキンガレート(CG)ガロカテキン(GC)、ガロカテキンガレート(GCG)も少量含まれています。
これらには、抗酸化作用など、様々な生理作用があるとみられています。
乾燥重量の緑茶葉には約10~18%のカテキン類が含まれ、カテキン類の約半数を占めるのがEGCG。茶葉中の含有量の多さは、EGCG>EGC>ECG>ECと見られています。
これまでに発表されてきた緑茶の機能性の研究は、海外のものも含めてほとんどEGCGについてでした。
その機能性とは、例えば運動習慣を続けながら緑茶を毎日飲むと体脂肪を減らしやすくなる、コレステロール調節や、インフルエンザ予防、脳の老化防止などの可能性が示されています。(*中には、動物実験や、濃縮したEGCGを使用した結果のものもあり、EGCGの機能性についてもまだまだ検証が必要な段階です)
一方EGCは、免疫細胞のマクロファージの働きを活性化することがわかってきました。
『緑茶通信』(vo.35)によると、野菜茶業研究所(島田市)によって、緑茶に含まれるEGCが体の免疫を活性化すること、特に水出し煎茶で効果的に作用する仕組みが解明されました。
マクロファージは、侵入してきた異物を食べて除去するだけでなく、食べた異物の情報を収集し経験値を積むことで、以後の異物侵入に対して迅速に反応できます。つまりEGCは、免疫の働きをよくする(アクセル)ことをサポートすると考えられます。
ただし、EGCGとEGCの割合がかなり重要なポイントで、同等の割合だと、ブレーキとアクセルが同時にかかり、その効果がわかりにくくなると推察されています。そしてEGCの割合が高いお茶によって、免疫機能のアクセルを踏む方が優位となるのではないかと考えられ、今後の検証に期待が寄せられています。
緑茶を淹れる祭のEGCGとEGCの割合がかなり重要なポイントで、同等の割合だと、ブレーキとアクセルが同時にかかり、その効果がわかりにくくなると推察されています。
そしてEGCの割合が高いお茶によって、免疫機能のアクセルを踏む方が優位となるのではないかと考えられ、今後の検証に期待が寄せられています。
研究報告では、
・80℃前後の熱水で緑茶を抽出した時は、EGCGとEGCが同割合で含まれる
・10℃以下の冷水(冷蔵庫)で緑茶を抽出した時には、EGCの割合が高い緑茶ができた
水温が低いほどEGCGは浸出されにくく、EGCは水温が低くても時間をかければ多く浸出するそうです。
和食ブームの中で、緑茶も大切な和食文化の一つの要素です。
緑茶はちょっと面倒と躊躇されている方は、手軽に淹れることができる水出し煎茶から、そのおいしさや魅力に触れてみてはいかがでしょうか。