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■[第13回] 助炭の張り替えレポート
我が家で「手もみ茶」や「狭山火入れ」に用いる器具を『ほいろ』と呼びます。
およそ高さ80cm×横160cm×縦幅90cmで、底部をやや狭めて梯形の箱状に木材で作られ、ガスを熱源とし、内部を鉄板で囲んだものをいい、この上に乗せる木製の揉み枠で、底部に強靭な和紙を張ったものを『助炭』と呼びます。この助炭とほいろの間には揉み圧に耐えさせるように、金網・鉄板を用いています。
この『助炭』が長年の利用により劣化が進んだので、埼玉県小川町の「小川和紙」と、東秩父村の「コンニャク粉」を使って張り替えます。
まずはコンニャク粉を利用して、コンニャク糊を作ります。
コンニャク粉10gに対して、水500ccを加え、粘りが出るまで手を休めることなく攪拌し、沸騰するまで煮詰めます。
今回利用する糊は和紙を貼るほいろ修理用なので、この沸騰した糊を一旦火から下ろし、冷ました後に250ccの水を加え、再度煮詰めたものを利用します。
木枠より古い和紙を取り除きます。
先ずは助炭面外側底部から貼っていきます。
木枠の底部分に、外枠から3cm程度長く底紙を作ります。
ここから使う和紙には、表裏があるので十分注意して利用するとともに、水切りと言う切断方法により刃物を使わず切る事により、繊維一本一本が残り、重ねた部分の段差が少なくなります。
糊を付け、底の部分を貼りつけます。
三角の紙を作り、底面角に貼り、強度を高めます。
L形をした6cm程の帯状の紙を作り、底面の縁に貼ります。
底面に更にもう一枚、大きな紙を張ります。
底面の縁に貼った帯状の紙が隠れる高さに貼る事によって、強度が増し、底張りが丈夫になります。
助炭面内側に、木枠の内側より2~3cm小さい紙を貼ります。
底紙と木枠内側を、L形をした6cm程の帯状の紙を使い貼ります。
これで修理は完了となります。
この後、「助炭」の滑りを良くするために、先程作った糊に更に水250ccを加え煮詰めたものを利用し、助炭面を塗ります。
以上で、完成となります。
参照:新手揉製茶法解説